○黒川地域行政事務組合職員ハラスメント防止要綱

平成30年3月30日

訓令第3号

(趣旨)

第1条 この要綱は、人事行政の公正の確保、職員の利益の保護及び職員の能率の発揮のため、男女共に働きやすい職場環境を確立することを目的として、ハラスメント(セクシュアル・ハラスメント、パワー・ハラスメント、モラル・ハラスメント及びマタニティ・ハラスメントをいう。以下同じ。)の防止及び排除のための措置並びにハラスメントに起因する問題が生じた場合に迅速、かつ、適切に対応するための措置に関し、必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この要綱において、次の各号に掲げる用語の意義は当該各号に定めるところによる。

(1) 職場 職員(臨時的任用職員及び非常勤職員を含む。以下同じ。)が職務を遂行する場所をいい、出張先その他職員が通常執務をする場所以外の場所及び親睦会の宴席その他実質的に職場の延長線上にあるものを含むものとする。

(2) セクシュアル・ハラスメント 職員の意に反する性的な言動、行動等により、当該職員に不快感、不利益等を与え、労働環境を悪化させること。

(3) パワー・ハラスメント 職務上の地位や人間関係等の職場内の優位性を背景に、職務の適正な範囲を超えて、継続的に行われる人格、尊厳等を侵害する言動、行動等により、職員に就労意欲を低下させ、又は、不利益を与え、労働環境を悪化させること。

(4) モラル・ハラスメント 言葉や態度、身振りや文書などによって、働く人間の人格や尊厳を傷つけたり、肉体的、精神的に傷を負わせて、職場を辞めざるを得ない状況に追い込んだり、労働環境を悪化させること。

(5) マタニティ・ハラスメント 職員に妊娠、出産、育児休業等を理由として、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和47年法律第113号)及び育児休業、介護休業等育児又は家庭介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)に違反する不利益等を与えることや、人格や尊厳等を侵害する言動、行動等により、当該職員に不快感を与え、労働環境を悪化させること。

(6) ハラスメントに起因する問題 ハラスメントのため、職員の勤務環境が害されること及びハラスメントへの対応に起因して職員がその勤務条件につき不利益を受けること。

(職員の責務)

第3条 職員は、次の事項の重要性について十分認識し、ハラスメントの防止に努めなければならない。

(1) お互いの人格を尊重しあうこと。

(2) お互いが大切なパートナーであるとの認識をもつこと。

(3) お互いを劣った性としてみたり、性的な関心の対象としてみる意識をなくすこと。

(4) 性に関する言動、行動等に対する受け止め方には個人間や男女間で差があり、ハラスメントに当たるか否かについては、相手の判断が重要であること。

(5) ハラスメントの被害を防止し、かつ、深刻なものにしないよう、ハラスメントを行った者(以下「行為者」という。)に対する明確な意思表示等の行動をためらわないこと。

(6) 相手が拒否し、又は嫌がっていることが分かった場合には、同じ言動、行動等を繰り返さないこと。

(7) ハラスメントであるか否かについて、相手からいつも意思表示があるとは限らないこと。

(8) 職員間あるいは通常執務する職場におけるハラスメントにだけ注意するのでは不十分であること。

2 職員は、職場の構成員として良好な勤務環境を確保するために、次の事項について意識的に配慮するよう努めなければならない。

(1) 職場内のハラスメントに関する問題を当事者間の個人的な問題として片づけないこと。

(2) 職場からハラスメントを起こさないよう、かつ、重大な影響が生じないよう、機会をとらえて職場の同僚として注意を促すこと。

(3) ハラスメントを見聞きした場合には、声をかけて相談にのるとともに、上司等に相談するなどの方法をとることをためらわないこと。

(所属長の責務)

第4条 所属長は、ハラスメントを防止するため、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 男性職員も女性職員も対等なパートナーとして業務を遂行できるよう十分な注意を払い、日常の執務を通じた指導等により良好な職場環境を実現すること。

(2) 所属職員の言動、行動等に留意し、ハラスメント又はこれを誘発する言動、行動等があった場合は、速やかに注意を喚起すること。

(3) 職場内においてわいせつな図画等の掲示又は配布等があった場合は、直ちにこれを排除すること。

(4) 所属職員から相談又は苦情(以下「相談等」という。)があった場合は、迅速、かつ、適切に対処すること。

(相談員の設置)

第5条 理事会は、ハラスメントに関する相談等に対応するため、職員10人以内による相談員を設置する。

2 相談員の選任に当たっては、男女同数となるよう努めるものとする。

3 相談員の任期は2年とし、再任は妨げない。

(相談等の申出)

第6条 相談等の申出は、ハラスメントを受けた職員だけでなく、ハラスメントが生じていることについて認識したり指摘を受けた職員(以下「申出人」という。)が、口頭又は文書(ハラスメント相談・苦情受付票(様式第1号)を含む。)により行うものとする。

(相談員の対応等)

第7条 相談員は、ハラスメントに関する相談等に対応するに当たり、次の事項に留意するものとする。

(1) 当事者にとって適切、かつ、効果的な対応に心がけること。

(2) 事態を悪化させないために、事実関係の調査、確認及び必要な措置を講ずることについて、迅速に対応すること。

(3) 関係者の私的事項や名誉その他の人権を尊重するとともに、知り得た秘密を厳守すること。

(4) 対応する相談員は、申出人の希望により、単独又は複数人とすること。

(5) ハラスメントが生じている場合だけでなく、ハラスメントを未然に防止する観点から、その発生のおそれがある場合又はハラスメントに該当するかどうか微妙な事案についても、相談等として受け付けるものとすること。

2 相談員は、申出人からの事実関係等の聴取に当たり、次の事項に留意するものとする。

(1) 申出人の求めることを把握すること。

(2) どの程度の時間的な余裕があるのかについて把握すること。

(3) 申出人の主張をよく聴き、次の事項の正確な把握に努めるとともに、聴取した事項について申出人に確認すること。

 当事者間の関係

 問題とされる言動、行動等が、いつ、どこで、どのように行われたか。

 申出人は、行為者とされる者に対し、どのような対応をとったのか。

 申出人が主張する内容について、当事者のみが知り得るものか、又は他に目撃者はいるのか。

 所属長に対する相談を行っているか。

3 相談員は、行為者とされる者からの事実関係等の聴取に当たり、次の事項に留意するものとする。

(1) 原則として、行為者とされる者から事実関係等を聴取する必要があるが、ハラスメントが勤務場所で行われ、比較的軽微なものであり、対応に時間的な余裕がある場合などは、所属長の観察及び指導による対応が適当な場合も考えられるので、その都度適切な方法を選択して対応すること。

(2) 十分な弁明の機会を与えること。

(3) 申出人から事実関係等を聴取する際の留意事項を参考に、適切に対応すること。

4 相談員は、相談等の解決に当たり、次の事項に留意するものとする。

(1) 当事者で事実関係に関する主張に不一致があり、事実の確認が十分にできない場合には、第三者から事実関係等を聴取するなどして、事実関係等の正確な把握に努めること。

(2) 相談等の申出、関係者への調査及び問題の処理・解決について、ハラスメント相談整理票(様式第2号)によりその内容を記録するとともに、申出人に説明すること。

(3) 事案の内容から判断して必要と認めるとき、又は申出人が更に希望するときは、次条に規定する苦情処理委員会(以下「委員会」という。)にその処理を依頼すること。

(苦情処理委員会の設置)

第8条 理事会は、ハラスメントに関する相談等に対し適切に、かつ、効果的に対応するため、次に掲げる職員で構成する委員会を設置する。

(1) 理事会部局 課長

(2) 消防部局 消防次長、署長、総務課長

(3) 女性職員2名

(4) 任命権者が指定した職員

(5) 当該事案に対応した相談員

2 前項の委員の任期は次のとおりとする。

(1) 第3号及び第4号の職員 2年

(2) 第3号及び第4号以外の職員 その職にある期間

3 委員会に委員長を置き、理事会部局総務課長をもってこれに充てる。

4 委員長は、会務を総括し委員会を代表する。

5 委員会は、ハラスメントに関する相談等のうち前条第4項第3号の規定によりその処理を依頼された事案について、事実関係を調査するとともにその対応措置を審議し、行為者等に対し必要な指導及び助言等を行うものとする。

6 委員長は、事実関係の調査の結果、ハラスメントの事実が確認された場合は、その結果を速やかに関係する任命権者に報告するものとする。

7 委員会の庶務は、総務課において処理するものとし、処理の受託、関係者への調査、対応措置及び指導助言等について、審議整理簿(様式第3号)によりその内容を記録する。

(対応措置)

第9条 前条第6項に基づく報告を受けた任命権者は、行為者及び所属長に対し、必要な措置を講ずるものとする。

(私的事項の保護等)

第10条 ハラスメントに関する相談等の処理に当たる者は、関係者の私的事項の保護を徹底し、関係者が不利益な取扱いを受けることのないように留意しなければならない。

(事務分掌)

第11条 ハラスメントの防止対策を所掌する部署は総務課とし、その事務分掌は次のとおりとする。

(1) ハラスメントの防止に関する情報の提供、研修及び啓発等に関すること。

(2) ハラスメントを誘発するおそれのある庁舎内の掲示物等の排除に関すること。

(委任)

第12条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、理事会が別に定める。

附 則

この訓令は、平成30年4月1日から施行する。

様式 略

黒川地域行政事務組合職員ハラスメント防止要綱

平成30年3月30日 訓令第3号

(平成30年4月1日施行)