○予防査察規程

平成16年2月24日

訓令第2号

予防査察規程(平成3年黒川地域行政事務組合訓令第31号)の全部を改正する。

(趣旨)

第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第4条及び第16条の5の規定に基づく資料の提出、報告に係る命令若しくは立入検査(以下「査察」という。)又はこれらに伴う指導若しくは取締りについて、必要な事項を定めるものとする。

(用語)

第2条 この規程において使用する用語は、法において使用する用語の例による。

(査察対象物)

第3条 この規程による査察の対象となる防火対象物(以下「査察対象物」という。)の区分は、別表のとおりとする。

(査察員)

第4条 この規程による査察に従事する消防職員(以下「査察員」という。)は、一般査察員、指定査察員及び特定査察員とする。

2 前項の査察員は、消防職員をもって充てる。

3 査察員は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号の査察に従事するものとする。

(1) 一般査察員 当該消防署の管轄区域内における査察

(2) 指定査察員 前号に掲げる区域内の査察対象物のうち、黒川地域行政事務組合消防法等の違反処理規程(平成18年黒川地域行政事務組合訓令第15号。以下「違反処理規程」という。)に定める違反の処理が必要なもの並びに火災発生の危険及び人命に対する危険の大きなものの査察

(3) 特定査察員 前各号に定める査察の統括及び指導

4 消防長又は消防署長(以下「署長」という。)は、特に必要があると認めるときは、査察員以外の消防職員を査察に従事させることができる。

(査察受持区)

第5条 署長は、管轄区域内の査察事務を処理するため、受持区を定めなければならない。

2 署長は、前項の受持区を分割し、一般査察員の担当地区を定めることができる。

3 前2項の規定にかかわらず、署長は、特に必要と認めるときは、査察員にこれらの規定により定めた受持区又は担当地区を越えて査察を行わせることができる。

(業務管理)

第5条の2 署長は、次の各号に定めるところにより査察に係る業務管理を行わなければならない。

(1) 査察対象物の規模、構造、用途、自主防火管理の状況等から出火危険、人命危険等を考慮し、効率的な査察を行い、積極的に安全の確保を図ること。

(2) 行政責任を十分認識するとともに、世論の動向等を的確に洞察して、常に社会情勢に対応した査察の推進に努めること。

(3) 査察業務量及び執行体制を勘案して、査察事項を限定した査察を行うなど効果的な査察の実施に努めること。

(4) 査察技術の向上のため、査察係員に対し研修を行い、査察員の資質向上を図るよう努めること。

(5) 違反の撲滅を図るため、違反処理や上位措置への移行など業務の進行管理に努めること。

(査察の種類)

第6条 査察の種類は、次の各号に掲げるとおりとする。

(1) 定期査察 第10条に規定する査察実施計画に基づき、第11条に規定する査察事項について、定期的に行う査察をいう。

(2) 特別査察 査察対象物のうち消防長又は署長が特に査察の必要があると認めるものについて行う査察をいう。

(3) 確認査察 立入検査結果通知書(以下「通知書」という。)、消防用設備等点検結果又は防火対象物点検結果の不備事項について改善計画・結果報告書(以下「改善計画書等」という。)を提出させた場合に、当該不備事項に対する改善の確認を行う査察をいう。

(定期査察)

第7条 定期査察は、別表に掲げる査察対象物の区分に応じて、次の各号に掲げるところにより行うものとする。

(1) 1号査察対象物 法第8条の2の3第1項及び法第36条第1項において準用する法第8条の2の3第1項の規定による特例認定後2年以内に1回以上

(2) 2号査察対象物ア 随時(違反処理又は是正指導を行うために必要な回数)

(3) 2号査察対象物イ及び4号査察対象物 1年に1回以上

(4) 3号査察対象物 特定防火対象物については1年に1回以上、非特定防火対象物については2年に1回以上

(5) 5号査察対象物 3年に1回以上

2 特別査察を行った査察対象物については、当該査察をもって定期査察に代えることができる。

(特別査察)

第8条 特別査察は、次の各号の一に該当する場合に行うことができる。

(1) 火災予防運動が実施されるとき。

(2) 祭礼等催物が行われるとき。

(3) 関係者又は特定事業者(以下「関係者等」という。)から査察の要請があったとき。

(4) 信号又は観賞用として各種催しに際し、煙火の消費が行われるとき。

(5) その他前各号に準ずる場合で、消防長又は署長が特に必要があると認めるとき。

2 消防長は、特別査察を行うときは、あらかじめ査察実施計画を署長に通知するものとする。

(確認査察)

第9条 確認査察は、次の各号のいずれかに該当する場合に行うものとする。

(1) 改善計画書等による改善予定日が到来したとき。

(2) 第15条に規定する指導書による改善期限が到来したとき。

(3) その他前各号に準ずる場合で、消防長又は署長が特に必要があると認めるとき。

(査察実施計画等)

第10条 署長は、消防本部事務事業計画及び業務指針等を踏まえ、年間査察実施計画を作成し、毎年4月20日までに消防長に提出しなければならない。

2 査察員は、前項の年間査察実施計画に基づき、翌月の月間査察実施計画を作成するとともに、前月の月間査察実施結果報告書を作成し、毎月末日まで署長に提出しなければならない。

3 署長は、効果的な査察を実施するため必要があると認めたときは、前2項に規定する査察実施計画を変更することができる。

(査察事項)

第11条 査察は、査察対象物の全部又は一部につき次の各号に掲げる事項(以下「査察事項」という。)について行う。

(1) 防火管理者、防災管理者及び危険物取扱者等

(2) 防火、防災に係る消防計画及び予防規程

(3) 自衛消防組織及び消防訓練

(4) 消防用設備等及び危険物施設の点検

(5) 防火区画、階段、内装、非常用進入口等

(6) 火気使用施設及び器具

(7) 電気施設及び器具

(8) 消防用設備等

(9) 危険物、指定可燃物及びこれらの関係施設

(10) ガス関係施設及び火薬関係施設

(11) 前各号に掲げるもののほか、火災予防上必要と認められる事項

2 前項の査察事項のうち、署長が関係者等による適切な自主管理が行われていると認める事項又は査察対象物の実態等から必要がないと認める事項については、査察を省略することができる。

(関係者の育成指導)

第12条 消防長及び署長は、関係者等による自主的な防火管理を促進するため、講習会等の実施その他の方法により、関係者等の防火管理に関する知識の普及及び意識の啓発を図らなければならない。

(資料の提出及び報告の徴収)

第13条 査察員は、関係者等に対して、査察対象物の実態を把握するため必要な書類その他の物件(以下「資料」という。)について任意の提出を求め、又は火災予防上必要があると認める事項について任意の報告を求めることができる。

2 前項の場合において、関係者が資料の提出を拒み又は関係者等が報告を拒むときは、署長は、必要に応じて法第4条若しくは法第16条の5の規定に基づき、違反処理規程第14条の2の例により、当該関係者等に対して資料の提出又は報告を命ずるものとする。

(通知書の交付)

第14条 査察員は、査察の結果、不備事項が確認されたときは、次条の規定により指導書を交付する場合を除き、当該不備事項を記載した通知書を関係者等に交付し、不備事項の改善を促すことができるものとする。ただし、不備事項が特に軽微であるときは、口頭の通知をもって通知書の交付に代えることができる。

2 前項に規定する場合において、不備事項につき異例な事情又は疑義があるときは、査察員は、署長に報告しなければならない。この場合において、署長の指示があるまでは、通知書を交付してはならない。

(指導書の交付)

第15条 署長は、査察の結果、次の各号の一に該当すると認める場合は、関係者等に指導書を交付し、期限を定めて不備事項の速やかな改善を促すことができるものとする。

(1) 前条第2項前段に規定する場合において、署長が速やかな改善を促す必要があると認めるとき。

(2) 前号に掲げる場合の他、重大な違反又は不備事項が確認されたとき。

(3) 確認査察の結果、指示事項の改善が十分でないと認めるとき。又は次条に定める改善計画書等の提出がなされないとき。

(4) その他前各号に準ずる場合で、署長が特に改善を促す必要があると認めるとき。

(改善計画書等の提出)

第16条 署長は、第14条の規定により通知書を交付し、かつ改善状況を確認する必要があると認めるときは、関係者等に対して改善計画書等の提出を求めるものとする。

(改善指導及び違反処理)

第17条 査察員は、関係者等に違法又は不備事項の改善を促すときは、具体的な改善策を教示し、自主的な改善が図れるように努めなければならない。

2 署長は、違反の状況を総合的に勘案し、火災予防上必要があると認めるときは、違反処理規程の例により必要な措置を講ずるものとする。

(実施細目)

第18条 この規程の実施細目は、別に定める。

附 則

この規程は、平成16年4月1日から施行する。

附 則(平成16年訓令第11号)

この訓令は、平成16年10月1日から施行する。

附 則(平成18年訓令第30号)

この訓令は、公布の日から施行する。

附 則(平成22年訓令第3号)

この訓令は、公布の日から施行する。

附 則(平成30年訓令第5号)

この訓令は、平成30年4月1日から施行する。

別表(第3条、第7条関係)

区分

用途規模等

1号査察対象物

法第8条の2の3第1項及び法第36条第1項において準用する法第8条の2の3第1項の規定による特例認定を受けた防火対象物

2号査察対象物

第17条第2項の規定に該当する防火対象物又は法第5条の3第1項の規定により命令を行った防火対象物

火災が発生した場合に社会的影響が大きい防火対象物で署長が必要と認めるもの(危険物の製造所、貯蔵所又は取扱所(以下「危険物製造所等」という。)を含む。)又は法第8条の2の2第1項及び法第36条第1項において準用する法第8条の2の2第1項の規定による定期の点検及び報告が必要な防火対象物(1号査察対象物に該当するものを除く)

3号査察対象物

法第8条に定める防火管理者が必要な防火対象物(1号査察対象物又は2号査察対象物に該当するものを除く。)又は消防法施行令(昭和36年政令第37号)第36条第2項第1号若しくは火災予防規程(平成3年黒川地域行政事務組合訓令第27号)第12条の2に規定する防火対象物(1号査察対象物又は2号査察対象物に該当するものを除く。)

4号査察対象物

危険物製造所等

5号査察対象物

前各項のいずれにも該当しないもの

予防査察規程

平成16年2月24日 訓令第2号

(平成30年4月1日施行)